「特別清算手続き」開始決定

 北九州市若松区の響灘地区で風力発電事業を手掛けていたエヌエスウインドパワーひびき(同市)が、福岡地裁小倉支部から特別清算手続きの開始決定を受けたことが分かった。決定は7月30日付。民間調査会社によると、負債総額は約10億1000万円。同社は今年3月に解散し、海岸沿いの市有地に設置されていた風車10基はすでに撤去されている。
 同社は、日鉄エンジニアリング(東京)などが2002年に設立。響灘風力発電所(総出力1万5000キロワット)は03年に運転を開始し、年間予想発電量は一般家庭約1万世帯分に相当する3500万キロワット時だった。19年3月期に最終利益1億1800万円を計上したが、設備の修理費などがかさみ、23年3月期には債務超過に転落。将来的に安全性を担保した運転が困難になったとして、昨年6月に事業を終了した。