食品分野などの研究に助成金

写真は久原本家グループ・久原みらい研究所での研究風景

 辛子めんたいこや調味料、だし関連商品の製造販売、レストラン運営などの久原本家グループ(福岡県久山町)はこのほど、食品分野などの研究を助成する「久原イノベーションサポートプログラム」の公募を開始した。
 昨年で創業130周年を迎えたことから記念事業として実施。食品のおいしさや機能性、日本の食文化、水産資源などに関する研究に取り組む日本国内の研究機関に所属する研究者個人もしくはグループが対象。募集期間は7月5日まで。助成件数は5件程度で、助成金額は1件当たり50〜300万円。
 従来、食品などに関する研究は、資本力のある中央の大手がリードしており、地方の食品会社が、埋もれている研究を掘り起こすことに意義がある。「画期的な発明でなくとも、従来の技術や知見を組み合わせたり、用途を変えたりすることで生まれるイノベーションもある」と同社。例えば、かつおぶしの製造工程では、人の手で担われる部分が多いが、これを自動化することができれば画期的だという。また、いぶす工程ではまきを大量に使うが、昨今はバイオマス発電用やキャンプ用などの需要により価格が高騰しており、薪の使用量を削減する技術の開発も期待しているという。
 全国から公募するが「当社製品と関わりの深い九州で食品分野の研究を手がける機関には、より強く働き掛けてたい。研究がまだ途上段階でも、当社と共同で取り組み、研究開発した商品を椒房庵や茅野屋などの当社ブランドで発売することも考えている」(同)と話している。