「J-クレジット」活用し森林保全

志々目道夫・都城森林組合組合長、江夏順行・霧島酒造社長、久古谷卓治・農林中央公庫福岡支店長

 焼酎最大手の霧島酒造(宮崎県霧島市、江夏順行社長)と都城森林組合(同市)、農林中央公庫(東京)は9月20日、国の認証制度「J-クレジット」を活用し、都城地域の森林資源の保全とカーボンニュートラルの実現を推進するための連携協定を結んだ。同森林組合の森林が吸収する二酸化炭素(CO2)をクレジット(排出枠)として、霧島酒造が今後15年にわたり購入する。
 同社は2030年度までに工場・事務所のCO2排出量実質ゼロを目指し、バイオマス発電や電気自動車化などを進めているが、年間7000トン程度の排出は避けられない見通し。今後15年で計7万トンを目標にクレジットを購入し、削減が困難な排出分を相殺する。一方、同森林組合では再造林率がコストや高齢化などで2022年度は約65%と宮崎県平均の約70%を下回っており、J-クレジットでの売却益はすべて森林管理(間伐、再造林)に充てる。再造林によるJ-クレジットの活用は、全国の民間企業では2例目という。農林中央公庫が両者を仲介し、実務支援を行う。