九州の志士「治国安民と富国論を唱えた『横井小楠(しょうなん)』」

 幕末に治国安民の実学と富国論を唱え、勝海舟、坂本龍馬らと交遊し、熊本藩、福井藩、柳川藩をはじめ多くの人々に影響を与えた開明思想家 横井小楠。近代日本の国家像を創造し、新時代・明治に活躍する英才を育てた横井小楠の生涯をたどる。

幕末の「開明思想家」

 横井小楠は、1809(文化6)年に肥後・熊本藩士横井家、横井時直と母かずの次男として熊本城下の内坪井(現在の熊本市、私立熊本中央女子高校の敷地内)に生まれた。実名は時存(ときあり)、通称は平四郎で、沼山…

この記事は会員限定です。ログインすると続きをお読みいただけます。