四季漫筆「能登『さくら駅』の開花を待つ」

 桜は不思議な花である。私たちは満開の桜の絢爛(けんらん)さに魅了されるが、同時に散りゆく桜にも美しさを感じる。なぜ日本人は散る桜に美を見るのか。答えは古来、繰り返し語られてきた通りである。散り際に死…

この記事は会員限定です。ログインすると続きをお読みいただけます。