四季漫筆「込み上げる喪失感~故郷の神社にて」

 所用で島根県に出掛け、帰路、出雲大社に参拝した。参道には黒松の巨木が並び、針葉樹独特のさわやかな香りが漂う。神域の入り口にふさわしい厳かな空気が砂利道と黒松によって醸し出されていた。
 旧暦十月は「…

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